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Showing posts from November, 2019

初期韻文のギリシャ語を知るための文献案内

 日本でギリシャ語といえばプラトンやアリストテレスをイメージする人間が多いみたいで、私もよく他人に専門を告げると哲学専攻と解釈されることが多いです。できればホメロスやソフォクレスなどの名前がもっとあがってほしいのですが。とはいえ、ギリシャ語を知ってる人でもホメロスやヘシオドス、あるいは抒情詩断片などの初期韻文に対しては (その古風 (?) な語形、語法から) ある種のハードルの高さ、抵抗感をいだいてしまうケースが多いようです。ギリシャ語自体の理解が進めばこのようなバリアーは氷解すると思うので、ぜひ前回の記事で紹介した文献をたよりにアルカイック期の豊穣さを感じてほしいなどといつも思っています。以下では、初期韻文テクストを読んでみる際に携えておくとよい・あると助かる文献をまとめておきます。 ホメロスを読むための文献案内 (☆は特に初心者向け; ★は超重要 ) ☆Ameis-Hentze-Cauer の註釈つき読本: Homers Ilias; Homers Odyssee. ・Chantraine, P. (1948)  Grammaire homérique: Phonétique et morphologie . tom.1. Paris. ・Chantraine, P. (1953)  Grammaire homérique: Syntaxe . tom.2. Paris. ☆Cunliffe, J. R. (2012)  A Lexicon of the Homeric Dialect  (Expanded Editon: originally published in 1924). Norman. ホメロス用の辞書。 ・Lorimer, H. L. (1950) Homer and the Monuments . London. 多くの図版入り。 ・Morris, I., B. Powell (1997) A New Companion to Homer . Leiden. ・Risch, E. (1973)  Wortbildung der homerischen Sprache . Berlin. ★ Wace, A. J. B., F. H. Stubbings ...